『恋愛ってなんですか?』

 迂闊だった。
 事前に調べて、大丈夫だろうと思っていた。
 まさかネットのイベント欄に軽く書かれていた『触れ合いイベント・ペンギン大行進』が、あんなに人気だと思わなかった。

 口数の少ない朔も、心の中で後悔が止まらなかった。

「あの人混みの中……はい、る?」

 あまりの混み具合に遥も引いてしまっている。
 当たり前だ、俺も引いている。

「……やめるか」
「やめよう」

 自分の計画性のなさに呆れる。


 
 ……文化祭があったあの日。俺は真由香にはっきりと伝えた。

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『そんなに簡単に諦められる好きなら、こんなにずっと好きじゃないんだよ』

『……真由香、俺は、好きでもない相手に期待させるようなことはできない』

 曖昧な態度をとってこれ以上傷つけない様に、はっきり伝えた。
 結局、真由香を泣かせてしまったが。
 
『……真由香をさっくんが好きになることはないってこと?』
『あぁ。』
『っ!遥さんに振られたらどうするの?他に好きな人がいるって言われたら?付き合う気はないって言われたら!』
『真由香。』

 必死に繋ぎ止めようとする真由香の言葉を遮り、俺は伝えた。

『問題じゃない』

 真由香の顔を見なくても泣いてることがわかった。



『好きなんだ。』

 
『どうすることもできない。』

 

 その後、真由香がどこに行ったのか、俺は知らない。

 俺は遥を探してあちこち回った。
 途中で望月先生に捕まって時間を取られたが、遥から電話がかかってきて会うことができた。
 千雅はいない時間。戻ってきたら、もう誘うタイミングはない。


 俺は覚悟を決めた。
 この気持ちを無視して千雅に譲ってやれる余裕はなかった。



『来週の土曜日、出かけないか?』


『空いてるけど……みんなで?』

 
『……二人で。』





 俺は、遥が好きだ。