バイト、祭り、家でゴロゴロと満喫した夏休みも終わり、毎日勉強する日々がまた始まった。
2学期後半には文化祭も控えている。
それに向けてクラスでは出し物決めが行われていた。
「じゃあ多数決の結果、クラスの出し物はたませんでいいですか?」
私と朔は教壇に立ち、クラスの出し物を全体に確認する。
全員に承諾をもらえたところで望月先生へとバトンを返し、席へ戻る。
「たませんねぇ。作るのも簡単だし、美味いし。いいもの思いついたなー。じゃあとりあえずこれで文化祭のやつは終わって……あー次は」
休みが明けてからも、千雅の表情はどこか晴れなかった。
夏祭りの後、千雅から家まで送っていけなかったことに対しての謝罪メッセージが届いた。千雅にも事情はあったし、私は気にしていなかった、でも彼にとっては心残りだったようだ。
学校が始まった後、毎日話していた千雅との会話がかなり減った。夏休み前は、一緒に帰ろうと千雅からいつも来ていた誘いも、パタリと止んだ。
千雅は授業が終わるとすぐに席を立ち、呼び止める間もなく教室を出ていく。
……今日も、話しかけられなかった。
「ちかちゃん、なんかあったのかなぁ?」
「まぁ、あの感じはなんかあったんだろうなぁ」
由乃と拓真は千雅がさっきまで座っていた席を見つめている。帰る支度を終えた葵も会話に加わった。
「……なんか今の千雅って、『余裕無し』って感じだよね」
「あんなにべったりだったはるちゃんにも、なんか距離感じるもんなぁ〜」
拓真の言葉に心がズキッと痛む。
昔は、千雅の話もたくさん聞けていたのに。
中学から今までの数年間、その会えなかった時間は、私が思っていたよりもずっと大きかったのかもしれない。
「遥は千雅から何か聞いてる?」
「家の事で揉めてるとしか……」
「そっかー。家の事なら、うちらじゃ何もできないしね」
「……うん」
「……。」
朔は何も言わない。それでも心配はしてるのか、みんなと一緒に千雅の机の方を見ている。
千雅に声を掛けてあげたいけど、話すのが嫌で話さないのかもしれないし……。
悩んでも答えは出なかった。
――――――――――――
休日、バイト先にシフトを出してきた帰り道。
あれからも、千雅は相変わらず忙しそうだった。休み時間にも何度か話しかけようと試みたけれど、「ごめんはるちゃん、今は余裕なくて……また話すね。ごめん。」と言われてしまった。
思った以上に事は深刻なのかもしれない。
私は考え事をして前を見ていなかった。
マンションの入り口で反対側から来た人とぶつかってしまう。
「あっ!ごめんなさいっ!」
「……遥、大丈夫か?」
朔が心配そうに私を見ていた。
「あれ、朔?どうしたの?」
「いやポストに荷物を取りに来たらちょうど遥が見えて。声は掛けたんだが……」
「え、あ!ごめん!考え事しちゃってた」
「千雅のことか?」
「……うん。」
「……遥は、千雅のことを」
「え、遥……朔?こんなところで2人とも何してるの?」
マンションホールから驚いた顔の千雅が現れる。
唐突な出会いに驚きが隠せない。
「千雅?!なんでここに?!」
「引っ越しの片付けひと段落して、ポスト確認しにきたんだけど……」
「引っ越しって、前言ってた……え?」
「ここの3階に引っ越してきたんだ。」
「え゛っ」
遥の野太い声だけがその場に残った。
2学期後半には文化祭も控えている。
それに向けてクラスでは出し物決めが行われていた。
「じゃあ多数決の結果、クラスの出し物はたませんでいいですか?」
私と朔は教壇に立ち、クラスの出し物を全体に確認する。
全員に承諾をもらえたところで望月先生へとバトンを返し、席へ戻る。
「たませんねぇ。作るのも簡単だし、美味いし。いいもの思いついたなー。じゃあとりあえずこれで文化祭のやつは終わって……あー次は」
休みが明けてからも、千雅の表情はどこか晴れなかった。
夏祭りの後、千雅から家まで送っていけなかったことに対しての謝罪メッセージが届いた。千雅にも事情はあったし、私は気にしていなかった、でも彼にとっては心残りだったようだ。
学校が始まった後、毎日話していた千雅との会話がかなり減った。夏休み前は、一緒に帰ろうと千雅からいつも来ていた誘いも、パタリと止んだ。
千雅は授業が終わるとすぐに席を立ち、呼び止める間もなく教室を出ていく。
……今日も、話しかけられなかった。
「ちかちゃん、なんかあったのかなぁ?」
「まぁ、あの感じはなんかあったんだろうなぁ」
由乃と拓真は千雅がさっきまで座っていた席を見つめている。帰る支度を終えた葵も会話に加わった。
「……なんか今の千雅って、『余裕無し』って感じだよね」
「あんなにべったりだったはるちゃんにも、なんか距離感じるもんなぁ〜」
拓真の言葉に心がズキッと痛む。
昔は、千雅の話もたくさん聞けていたのに。
中学から今までの数年間、その会えなかった時間は、私が思っていたよりもずっと大きかったのかもしれない。
「遥は千雅から何か聞いてる?」
「家の事で揉めてるとしか……」
「そっかー。家の事なら、うちらじゃ何もできないしね」
「……うん」
「……。」
朔は何も言わない。それでも心配はしてるのか、みんなと一緒に千雅の机の方を見ている。
千雅に声を掛けてあげたいけど、話すのが嫌で話さないのかもしれないし……。
悩んでも答えは出なかった。
――――――――――――
休日、バイト先にシフトを出してきた帰り道。
あれからも、千雅は相変わらず忙しそうだった。休み時間にも何度か話しかけようと試みたけれど、「ごめんはるちゃん、今は余裕なくて……また話すね。ごめん。」と言われてしまった。
思った以上に事は深刻なのかもしれない。
私は考え事をして前を見ていなかった。
マンションの入り口で反対側から来た人とぶつかってしまう。
「あっ!ごめんなさいっ!」
「……遥、大丈夫か?」
朔が心配そうに私を見ていた。
「あれ、朔?どうしたの?」
「いやポストに荷物を取りに来たらちょうど遥が見えて。声は掛けたんだが……」
「え、あ!ごめん!考え事しちゃってた」
「千雅のことか?」
「……うん。」
「……遥は、千雅のことを」
「え、遥……朔?こんなところで2人とも何してるの?」
マンションホールから驚いた顔の千雅が現れる。
唐突な出会いに驚きが隠せない。
「千雅?!なんでここに?!」
「引っ越しの片付けひと段落して、ポスト確認しにきたんだけど……」
「引っ越しって、前言ってた……え?」
「ここの3階に引っ越してきたんだ。」
「え゛っ」
遥の野太い声だけがその場に残った。


