朔達が待機列へと向かい、私は体の熱を冷ますために時間まで歩く事にした。
借り物競走の後から千雅も見かけなかったので、ついでに探す事にする。
……体の熱はなかなか冷めない。私は千雅を探すことに集中した。
「千雅ー!ちーかーちゃーん?」
校舎周辺を探し回るが千雅は見当たらない。
そのまま歩き回り、校舎裏に近付くと小さく話し声が聞こえ始めた。
好奇心に背中を押され、そのままバレない程度に歩み寄る。
「……やっぱり、私じゃダメですか……?」
おお。これはまたベタな告白的なヤツでは?
盗み聞きは趣味が悪いが、ここまで来て聞かずに過ごせるほどの良心は持ち合わせて居なかった。
そーっと壁の隅から主人公達の顔を確認してみる。
(千雅じゃん!)
まだ転校してきてまだそんな経っていないのに、もう告白されている。
しかも同じクラスの子ではなさそうだから……後輩?普通科の子かな?
千雅は話しやすいし、あの見た目も相まってモテるとは思っていたけれど。
感心している間も告白シーン真っ最中の二人の会話は進む。
「君がダメだからじゃないんだ。僕には好きな人がいて……その人じゃないとダメなんだ。ごめんね。」
千雅は告白してきた女子を優しく傷つけないように、はっきりと断る。
「その人って先輩がいつも……」
「わっ!」
急に突風が吹き、砂や葉が舞う。
突然の風の勢いに負け、続きの言葉を拾うことは出来なかった。
目に入った砂を落とす為、目を擦る。
「遥、盗み聞きは良くないよ?」
「ぎゃーーーー!!」
千雅は悪戯に微笑みながら、遥の頬を両手で優しく潰していた。
「す……すみまめんでった……」
頬を挟まれたままだったから、うまく話すことができなかった。
――――――――――――
千雅と歩きながら体育祭へと戻る。
覗き見してしまった事は悪いと思っている。……少し。
「もーいたなら声をかけてくれたら良かったのにー」
「あの場で声を掛けられる度胸は私にはないよ……」
「それもそうだね」
千雅は何だか楽しそうだ。
「なんか千雅楽しそうだね?」
「そうだね。遥が探しに来てくれたからかな」
「単純かっ」
「単純だよ」
そういえば、とさっきのことを思い出したのか千雅が尋ねてくる。
「どこまで話聞いてたの?」
「んーその人ってみたいなとこまでは聞こえた気したんだけど、その後は風やら砂やらで何にも聞こえなくて。残念。」
「残念なんだ?(笑)」
「千雅の好きな人、知れると思ったのにー」
そろそろ校庭が見えてきた。
ここからなら、朔の走る姿も良く見えそう。
「千雅、今から朔が」
「遥は僕の好きな人が気になるの?」
千雅の真剣な眼差しが私を捉える。
「え?……気にはなるけど、そんな無理に教えてもらおうとは思って」
「遥はよく知ってるよ」
「どういうい……み……」
千雅は何も言わず、私を軽く抱き寄せた。
ジャージ越しに千雅の体が私に触れる。
そのまま耳元で囁いた。
「考えてみて?」
余韻だけを残し、千雅の体は離れる。
「遥……?」
その様子を、朔は見ていた。
借り物競走の後から千雅も見かけなかったので、ついでに探す事にする。
……体の熱はなかなか冷めない。私は千雅を探すことに集中した。
「千雅ー!ちーかーちゃーん?」
校舎周辺を探し回るが千雅は見当たらない。
そのまま歩き回り、校舎裏に近付くと小さく話し声が聞こえ始めた。
好奇心に背中を押され、そのままバレない程度に歩み寄る。
「……やっぱり、私じゃダメですか……?」
おお。これはまたベタな告白的なヤツでは?
盗み聞きは趣味が悪いが、ここまで来て聞かずに過ごせるほどの良心は持ち合わせて居なかった。
そーっと壁の隅から主人公達の顔を確認してみる。
(千雅じゃん!)
まだ転校してきてまだそんな経っていないのに、もう告白されている。
しかも同じクラスの子ではなさそうだから……後輩?普通科の子かな?
千雅は話しやすいし、あの見た目も相まってモテるとは思っていたけれど。
感心している間も告白シーン真っ最中の二人の会話は進む。
「君がダメだからじゃないんだ。僕には好きな人がいて……その人じゃないとダメなんだ。ごめんね。」
千雅は告白してきた女子を優しく傷つけないように、はっきりと断る。
「その人って先輩がいつも……」
「わっ!」
急に突風が吹き、砂や葉が舞う。
突然の風の勢いに負け、続きの言葉を拾うことは出来なかった。
目に入った砂を落とす為、目を擦る。
「遥、盗み聞きは良くないよ?」
「ぎゃーーーー!!」
千雅は悪戯に微笑みながら、遥の頬を両手で優しく潰していた。
「す……すみまめんでった……」
頬を挟まれたままだったから、うまく話すことができなかった。
――――――――――――
千雅と歩きながら体育祭へと戻る。
覗き見してしまった事は悪いと思っている。……少し。
「もーいたなら声をかけてくれたら良かったのにー」
「あの場で声を掛けられる度胸は私にはないよ……」
「それもそうだね」
千雅は何だか楽しそうだ。
「なんか千雅楽しそうだね?」
「そうだね。遥が探しに来てくれたからかな」
「単純かっ」
「単純だよ」
そういえば、とさっきのことを思い出したのか千雅が尋ねてくる。
「どこまで話聞いてたの?」
「んーその人ってみたいなとこまでは聞こえた気したんだけど、その後は風やら砂やらで何にも聞こえなくて。残念。」
「残念なんだ?(笑)」
「千雅の好きな人、知れると思ったのにー」
そろそろ校庭が見えてきた。
ここからなら、朔の走る姿も良く見えそう。
「千雅、今から朔が」
「遥は僕の好きな人が気になるの?」
千雅の真剣な眼差しが私を捉える。
「え?……気にはなるけど、そんな無理に教えてもらおうとは思って」
「遥はよく知ってるよ」
「どういうい……み……」
千雅は何も言わず、私を軽く抱き寄せた。
ジャージ越しに千雅の体が私に触れる。
そのまま耳元で囁いた。
「考えてみて?」
余韻だけを残し、千雅の体は離れる。
「遥……?」
その様子を、朔は見ていた。


