この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 声が漏れた。頭の中でばらばらだったものが一気に繋がる。

 《なのにキミの案は、そこを削って、正しさで説得しにいってる。それじゃ刺さらない》

 静かな指摘だった。
 クライアントの微妙な間や納得していない反応が、脳裏に蘇る。
 帆奈美は、ズレた場所で戦っていたのだ。

 「じゃあ、どうすれば……」

 気づけば、そう口にしていた。
 ほんの一瞬、通話の向こうが静かになる。

 《ようやくキミのほうから聞いてきたな》

 宏臣がクスッと笑う。
 そう言われて、自分から頼っていることに気づいた。なかなか人に頼れない自分が、だ。

 《コンセプトは悪くない。切り口を変えるだけだ》

 合理的だから選ばれる、ではなく、選んだあとで合理的だと気づくように。

 「……順番を逆にする」

 それだけで、視界が開けてきた。

 《今の構成、全部それに合わせて組み替えてみたらいい》