この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 「……そうです、けど」
 《タカラ製菓はうちのグループ傘下企業だ。資料も入手した》

 驚くべきことが次々と彼の口から飛び出した。
 タカラ製菓が東城コンツェルンのグループ企業だとしても、どうして帆奈美がそれに関わっていることがわかったのか。

 そこでハッとした。先日、彼との食事の席で愚痴めいたことを口走ったとき、たしかに菓子メーカーと口にしている。それを手掛かりに調べたのだろうか。

 「……その仕事はうちが引き受けたものです」

 宏臣には関係ないと言いたかった。

 《でも、行き詰ってるんだろ。べつに俺が代わりにやろうとしてるわけじゃない。なにかヒントにでもなればと思ってやってるだけ。それをどうするのかはキミが決めればいい》

 助けるとは言わないくせに、見捨てるつもりもない声音だ。
 自分でなんとかできるなら、そうするべきだと思ってきた。でも時間がない。このままでは間に合わないのも自分が一番よくわかっている。
 ぎゅっとスマートフォンを握りしめる。彼の言葉にすがりたくなる自分がいた。

 「……三分、でしたよね」

 そんな言葉が自然と口をついた。

 《ああ。じゃあ一ページ目から順に見ていこう》