今度は宏臣がぽかんとした。それがどうかしましたか?と言わんばかりの顔だ。
「東城コンツェルンは政略結婚で乗り切らなければならない企業ではありません。これまで数々のご令嬢とお見合いしてきましたが、選択肢がそこにしか向けられていなかっただけのこと。問題ありません」
「いや、だからってなんで私?」
「あなたを気に入ったからです」
あまりにもあっさりと言われて、帆奈美の思考は完全に止まった。
(……は?)
頭の中に浮かんだのは、間の抜けた一文字だけだった。
気に入った?
誰が、誰を?
理解が追いつかない。
だって自分は、ただの身代わりだ。舞台のチケットで買われて、お見合いの席に座っただけの一般人。しかも途中からは推しの話に夢中になって、令嬢らしさなんて微塵も見せていない。
むしろ結婚する気がないことを全力でアピールしていたはずだ。
(おかしいでしょ……)
どう考えても、好かれる要素がない。それなのに、なぜか求婚のようなことを言われている。状況がおかしすぎて足元がふわふわしてくる。
「東城コンツェルンは政略結婚で乗り切らなければならない企業ではありません。これまで数々のご令嬢とお見合いしてきましたが、選択肢がそこにしか向けられていなかっただけのこと。問題ありません」
「いや、だからってなんで私?」
「あなたを気に入ったからです」
あまりにもあっさりと言われて、帆奈美の思考は完全に止まった。
(……は?)
頭の中に浮かんだのは、間の抜けた一文字だけだった。
気に入った?
誰が、誰を?
理解が追いつかない。
だって自分は、ただの身代わりだ。舞台のチケットで買われて、お見合いの席に座っただけの一般人。しかも途中からは推しの話に夢中になって、令嬢らしさなんて微塵も見せていない。
むしろ結婚する気がないことを全力でアピールしていたはずだ。
(おかしいでしょ……)
どう考えても、好かれる要素がない。それなのに、なぜか求婚のようなことを言われている。状況がおかしすぎて足元がふわふわしてくる。



