この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 「ええ。我慢しない人は信用できます。肩書きに興味がないのも助かりますし、自分の時間を大切にできるのは健全です」

 淡々と並べられる評価に、帆奈美は言葉を失った。

 (え、ちょっと待って。今の、減点ポイントじゃなかったの?)

 生クリームをたっぷりのせたスプーンが宙で止まる。

 「東城さんは……そういう女性が、お好きなんですか?」

 ふっと目を細める。

 「どうでしょう。少なくとも、用意された正解を並べられるよりは、ずっと興味深い」

 その言い方に、胸がひやりとした。まるでこちらの思惑を見透かしているような響きだったからだ。

 (まさか……バレてない、よね?)

 いや、そんなはずはない 完璧な令嬢とは言えないまでも、破綻はしていないはずだ。

 「愛理さん」
 「は、はい」
 「ぜひ、またお会いしたい」

 あまりに自然な流れで言われ、思考が一瞬止まる。

 「今日だけでは、判断材料が足りません」