宏臣は、ふっと小さく笑った。
「珍しいですね。そんなことを言う人間は初めてですよ」
「そうですか?」
「ええ。たいていは、まず家の話から入ります」
含みのある言い方だったが、帆奈美は気づかないふりをして次の一手を放つ。
「それよりも今、私が最も興味があるのは推し活なので」
リストの五番目、推し優先宣言である。
「あぁ、よく聞く言葉ですね。愛理さんもその手の活動をしているんですか」
「はい。鳳麗歌劇団ってご存知ですか?」
「ええ、まぁ」
宏臣が曖昧に頷く。東城ホールディングス同様、知らない人のほうが少ないだろうけど。
「その公演をなによりも優先しています。遠征もあるので忙しいですし」
「遠征?」
「全国をまわるんです」
大好きな話題になったため、ついきらきらと目を輝かせる。
「将来、結婚するとしても、それは譲れません」
なので、大企業の後継者を支えるような器ではない、妻には向かないと言ったつもりだ。
「珍しいですね。そんなことを言う人間は初めてですよ」
「そうですか?」
「ええ。たいていは、まず家の話から入ります」
含みのある言い方だったが、帆奈美は気づかないふりをして次の一手を放つ。
「それよりも今、私が最も興味があるのは推し活なので」
リストの五番目、推し優先宣言である。
「あぁ、よく聞く言葉ですね。愛理さんもその手の活動をしているんですか」
「はい。鳳麗歌劇団ってご存知ですか?」
「ええ、まぁ」
宏臣が曖昧に頷く。東城ホールディングス同様、知らない人のほうが少ないだろうけど。
「その公演をなによりも優先しています。遠征もあるので忙しいですし」
「遠征?」
「全国をまわるんです」
大好きな話題になったため、ついきらきらと目を輝かせる。
「将来、結婚するとしても、それは譲れません」
なので、大企業の後継者を支えるような器ではない、妻には向かないと言ったつもりだ。



