この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

  

 三日後の昼休み、宏臣は帆奈美をランチに誘った。場所は彼女の会社近くに停まっている移動販売のワゴン。宏臣が彼女を三木愛理と思っていた頃、偶然会った場所だ。
 そこで、ふたり揃ってクラブハウスサンドを買った。

 「外で食べるの、いいですね」

 ベンチに並んで腰かけながら、帆奈美がうれしそうに笑う。

 「ああ。こういう時間も悪くない」

 包み紙を開けば、こんがり焼けたパンと具材の香ばしい匂いが広がる。
 ひと口かじった帆奈美が「おいしい」と小さく声を漏らした。

 宏臣は横目で彼女を見る。いつも通りに笑っている。なのに、どことなく距離があるのは気のせいだろうか。
 会話は続いているが、ふとした瞬間に視線が逸れる。言葉の端に、わずかな躊躇いが混じる。

 (やっぱり、なにか隠している)

 確信に近い違和感が、胸に広がっていく。疑いの眼差しで見ているからそう見えるのか、それとも本当になにかを隠しているのか。

 「ちょっとお手洗いに行ってきますね」

 不意に帆奈美が立ち上がった。

 「ああ」