この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 「なんだ」
 「危なっかしいから」
 「下手くそって言いたいのか?」
 「そうは言ってません。ぎこちないな、とは思いますけど」
 「それは下手って言ってるも同然だ。そういうヤツには――」

 不意打ちでキスされた。

 「な、なにするんですかっ」

 慌てて距離を取ると、宏臣がくすっと笑う。

 「罰だ」
 「……罰になってませんけど」

 どちらかと言えば、ご褒美だ。
 ぼそっと呟くと、宏臣がわずかに目を細め、さらに距離を詰めてきた。

 「じゃあ、今度は本気で罰にするか。それとも、そのままご褒美で続けるか」

 低く囁かれて、心臓が一気に跳ねる。

 「……ご褒美で」

 恥ずかしげもなく言った瞬間、もう一度唇が重なった。腰を引き寄せられ、口づけが深くなったそのとき、焦げ臭い匂いが鼻先をかすめた。
 宏臣も嗅ぎ取ったのだろう。目を合わせてからプレートを見た。

 「ああーっ!」