「家柄も育ちも環境も、すべてが違うのよ。あなたが悪いと言っているわけではないの。ただ、立つ場所が違うの」
淡々と告げられる事実に、胸の奥がじわじわと締めつけられる。
「宏臣はね、小さい頃からずっと〝東城家の人間〟として育てられてきたの。背負っているものが違うのよ。その隣に立つ覚悟が、あなたにあるの?」
視線が、さらに鋭くなる。
問いかけというより、試されている。否定を引き出そうとしているのが、はっきりとわかった。
自分とは住む世界が違う人だと、痛いほどわかる。言われていることも、きっと間違っていない。
(でも――)
帆奈美は、ぎゅっと傘の柄を握りしめた。
「ふさわしいかどうかは、正直わかりません」
かすかに震えた声を自分で押さえ込み、一度、息を吸う。
「ですが、宏臣さんと一緒にいたいと思う気持ちは本当です」
顔を上げて、まっすぐに凪子を見た。怖くても、目を逸らさずに続ける。
「突然こんなことになって、自分でもびっくりしてます。場違いだって思われるのも、たぶんその通りです。それでも、宏臣さんと過ごした時間をなかったことにはしたくありません」
淡々と告げられる事実に、胸の奥がじわじわと締めつけられる。
「宏臣はね、小さい頃からずっと〝東城家の人間〟として育てられてきたの。背負っているものが違うのよ。その隣に立つ覚悟が、あなたにあるの?」
視線が、さらに鋭くなる。
問いかけというより、試されている。否定を引き出そうとしているのが、はっきりとわかった。
自分とは住む世界が違う人だと、痛いほどわかる。言われていることも、きっと間違っていない。
(でも――)
帆奈美は、ぎゅっと傘の柄を握りしめた。
「ふさわしいかどうかは、正直わかりません」
かすかに震えた声を自分で押さえ込み、一度、息を吸う。
「ですが、宏臣さんと一緒にいたいと思う気持ちは本当です」
顔を上げて、まっすぐに凪子を見た。怖くても、目を逸らさずに続ける。
「突然こんなことになって、自分でもびっくりしてます。場違いだって思われるのも、たぶんその通りです。それでも、宏臣さんと過ごした時間をなかったことにはしたくありません」



