この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 一瞬なんのことかと思ったが、今日穿いているスカートだ。てんとう虫だなんてひどいではないか。
 眉間に皺を寄せて宏臣を見た。

 「水玉模様じゃなくてドット柄って言ってほしいですけどね」
 「相変わらず手厳しいね。かわいいって言ったつもりなんだけど」

 (か、かわいい!?)

 「そういうことをさらっと言わないでください」

 じわじわと頬が熱くなっていくのがわかり、慌てて視線を窓の外へ逃がす。

 「自分でも驚いてる。そういうことを言うタイプじゃなかったはずなんだけど」

 自嘲気味に笑って続ける。

 「キミにはガードをあっさり崩されたよ。だから、その責任を取ってもらわなくちゃならない」
 「な、なんですかそれ」
 「なにしろ、初めて心から好きになった女性だから」
 「は、はいぃ!?」

 思考が止まった。
 今、なんて言ったのか。言葉の意味はわかるのに、うまく頭の中で処理できない。
 そんなはずはないと思うのに、冗談にしては声音が真剣すぎる。

 ちらりと隣を見る。
 宏臣は前を向き、変わらない表情で車を発進させた。