この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 「奥様は次のお見合いの件、進めたいと仰っていました。すでにいくつか候補も挙がっておりますが」
 「断っておいてください」

 日高が目をやんわりと細める。表面上は穏やかに見えるが、内心はどうだろう。厄介だと感じているのかもしれない。

 日高は「かしこまりました」と一礼して部屋を出ていった。

 (さて、このあとはどうしようか)

 脳裏に浮かぶのは、困ったように眉を寄せる帆奈美の顔だった。
 その反応すら、すでに想定の範囲内。逃がすつもりは毛頭ない。
 宏臣は唇を引き結び、口角を上げた。