君がいた幕末で


「何がだ」

晋作が聞く。

私は小さく呟く。

「抱きついたこと」

沈黙。

数秒後。

稔麿が吹き出した。

玄瑞はため息を吐く。

晋作は笑いを堪えていた。

「忘れろ」

私は真顔で言う。

「無理だな」

晋作。

「無理だね」

稔麿。

「無理だ」

玄瑞。

全員だった。

私は絶望する。

そんな私を見て。

三人は笑った。

久しぶりに。

心から笑った気がした。

その輪の中に。

私もちゃんといる。

そう思った瞬間。

少しだけ胸が温かくなった。