君がいた幕末で


私は慌てて周囲を見渡した。

そこで初めて気付く。

電柱がない。

車の音も聞こえない。

さっきまであったはずの景色が消えている。

聞こえるのは風の音だけ。

心臓が大きく鳴った。

ゆっくり顔を上げる。

高杉晋作が不思議そうにこちらを見ていた。

「どうした」

私は震える声で聞く。

「ここ……どこですか?」