君がいた幕末で


「持って行け」

私は固まる。

土方は目を逸らした。

照れ隠しみたいに。

「死ぬな」

ぶっきらぼうな声。

でも。

そこに込められた想いは十分伝わった。

涙が滲む。

私は小刀を受け取った。

「ありがとう」

土方は返事をしない。

代わりに。

私の頭を軽く小突いた。