「俺」 「お前が好きだった」 夜風が止まった気がした。 私は目を見開く。 言葉が出ない。 平助は笑った。 泣きそうな顔じゃない。 怒ってもいない。 ただ。 少し寂しそうだった。 「そんな顔すんな」 平助が言う。 「困らせるために言ったんじゃねぇ」 私は唇を噛む。 胸が苦しい。