君がいた幕末で


土方は黙っている。

総司も。

平助も。

みんな気付いてしまった。

れなが誰を想っているのか。

誰を失うのが怖いのか。

私は涙を拭う。

でも次から次へ溢れる。

「行かないでって言いたい」

ぽつりと零れた本音。

今まで言えなかった言葉。

「会いたい」

その一言で。

平助は目を閉じた。

総司は静かに空を見上げる。

土方は小さく息を吐く。

そしてれな自身も。

ようやく気付き始めていた。

自分の気持ちに。

それがただの心配ではないことに。