君がいた幕末で


夜。

私は空を見上げていた。

同じ月。

同じ空。

玄瑞も見ているだろうか。

そう思うだけで。

少しだけ胸が温かくなる。

遠く離れた長州でも。

玄瑞が同じ月を見上げていた。

届かない手紙。

届かない想い。

それでも。

二人とも信じていた。

また会える日が来ることを。

だけど。

運命は待ってくれない。

禁門の変の日が。

少しずつ近付いていた。