君がいた幕末で


「れな」

何度も呼ぶ。

返事はない。

目も開けない。

玄瑞の腕が震える。

やっと会えた。

やっと取り戻せた。

それなのに。

また失うかもしれない。

「玄瑞」

晋作だった。

玄瑞は顔を上げる。

晋作の顔も苦しそうだった。

「手当てが先だ」

分かっている。

分かっているのに。

渡したくなかった。