君がいた幕末で


「迷子になるなよ」

不意に玄瑞が言った。

私は瞬きをする。

「え?」

「この辺は慣れていないだろう」

そう言って視線を逸らす。

私は思わず笑った。

「心配してくれてるの?」

玄瑞が固まる。

「違う」

即答だった。

でも。

少し耳が赤い気がした。