君がいた幕末で


「何がある」

玄瑞が聞く。

私は答えられない。

言えない。

歴史だなんて。

未来だなんて。

言えるはずがない。

でも。

涙だけは止まらない。

その時だった。

遠くから足音が聞こえた。

複数。

そして。

聞き覚えのある声。

「急げ!」

新撰組だった。

運命の夜が始まる。

れなの願いも。

玄瑞の想いも。

まだ誰も知らないまま。