君がいた幕末で


「生きてたか!」

稔麿が笑う。

晋作も近付いてくる。

「遅ぇんだよ」

そう言いながら。

どこか安心した顔だった。

私は笑う。

久しぶりに心から。

だけど。

次の瞬間。

表情が変わる。

私は池田屋を見る。

歴史を知っている。

この先を知っている。

血の匂いがする夜。

胸が苦しくなる。

「駄目……」

小さく呟いた。