君がいた幕末で


走った。

とにかく走った。

息が苦しい。

足も痛い。

それでも止まれない。

間に合って。

お願いだから。

間に合って。

私は夜の京都を駆け抜けた。

池田屋の近く。

人影が見えた。

聞き慣れた声。

懐かしい声。

私は足を止める。

そして。

思わず叫んだ。

「玄瑞!!」