君がいた幕末で


「会いたいんだろ」

私は目を見開く。

平助は笑う。

全部分かっていた。

玄瑞のこと。

れなが気付いていない気持ちも。

全部。

「行ってこい」

私は走り出す。

長州へ。

玄瑞の元へ。

平助はその背中を見送る。

そして。

誰もいなくなった廊下で。

小さく呟いた。

「頑張れよ」

その声は。

誰にも届かなかった。