君がいた幕末で


玄瑞。

その名前は出さなかった。

でも。

平助には分かった。

れなが誰を想っているのか。

誰のために泣いているのか。

胸が痛い。

それでも。

平助はれなから目を逸らさなかった。

「行きたいのか」

私は顔を上げる。

涙でぐしゃぐしゃだった。

「助けたい」

その言葉に。

平助は静かに目を閉じる。

そして。

一つの決意をした。

今夜。

運命が動く。

れなのために。

そして。

自分自身のために。