君がいた幕末で


その日の朝。

私は廊下を歩いていた。

すると。

隊士達の会話が聞こえてくる。

「今夜だな」

「準備は出来てる」

「池田屋――」

その名前を聞いた瞬間。

世界が止まった。

今夜。

今夜だった。

頭が真っ白になる。

知っている。

池田屋事件。

そして。

その結末も。

私は思わず壁に手をついた。

呼吸が苦しい。