君がいた幕末で


「迎えに行く」

玄瑞が言った。

迷いはない。

晋作は笑う。

「当然だな」

稔麿も頷く。

「れな置いて帰ったら怒られるしな」

少しだけ空気が和らぐ。

でも。

誰も本気で笑えてはいなかった。

その夜。

玄瑞は一人で外へ出た。

月が綺麗だった。

ふと。

れなを思い出す。

歌う姿。

笑う姿。

眠そうな顔。

全部鮮明だった。