君がいた幕末で


沈黙。

風が吹く。

やがて。

総司が静かに言った。

「池田屋が近いから?」

私は息を呑んだ。

心臓が止まりそうになる。

総司はそれを見逃さなかった。

「やっぱり」

総司の声が小さくなる。

私は立ち上がった。

逃げたい。

でも逃げられない。

総司も立ち上がる。

「れな」

その声は優しかった。