君がいた幕末で


その日。

私は廊下を歩いていた。

偶然だった。

本当に偶然。

隊士達の会話が聞こえたのは。

「池田屋が――」

その言葉に。

私は足を止めた。

池田屋。

心臓が大きく跳ねる。

知っている。

忘れるはずがない。

幕末の歴史。

長州。

新撰組。

そして。

血の夜。

私は青ざめた。