君がいた幕末で


空気が変わった。

稔麿が目を見開く。

玄瑞も固まる。

「れながいる」

その言葉だけで十分だった。

玄瑞は拳を握る。

生きていた。

無事だった。

それだけで胸がいっぱいになる。

「確かなのか」

晋作が聞く。

男は頷いた。

「何人も見ている」

「新撰組屯所で暮らしているらしい」

玄瑞の顔が強張る。

暮らしている。

その言葉に妙な苛立ちを覚えた。