君がいた幕末で


「れなのことだろ」

その名前が出た瞬間。

玄瑞の表情が変わる。

晋作は見逃さなかった。

やっぱりそうだ。

自覚がないのは本人だけ。

「心配なだけだ」

玄瑞が言う。

晋作は吹き出した。

「心配ねぇ」

「なんだ」

「じゃあ聞くが」

晋作の目が真剣になる。

「今れなが帰ってきたらどうする」

玄瑞は固まった。

どうする。

そんなの決まっている。

無事で良かったと思う。

抱き締めるかもしれない。

二度と一人で行くなと怒るかもしれない。

泣くかもしれない。

そこまで考えて。

玄瑞は言葉を失った。