君がいた幕末で


長州へ来て三日。

私はまだ現実を受け入れられずにいた。

朝起きても幕末。

昼になっても幕末。

夜になっても幕末。

夢じゃない。

何度確認しても夢じゃない。

「帰りたい……」

思わず呟く。

家族に会いたい。

友達に会いたい。

スマホを握りしめる。

相変わらず圏外だった。

私は大きくため息を吐いた。