君がいた幕末で


「……図星?」

私は慌てて首を振る。

「違う!」

即答だった。

総司は吹き出す。

「そんな慌てなくても」

私は顔を逸らした。

心臓がうるさい。

バレたわけじゃない。

でも。

近い。

近すぎる。

総司は立ち上がる。

そして去り際に言った。

「君は優しいね」

私は顔を上げる。

総司は笑った。

「だから色んなこと抱え込んでる」

その言葉に。

私は何も返せなかった。

総司だけが気付いていた。

れなが未来ではなく、

“誰かの未来”を心配していることに。