君がいた幕末で


しばらく沈黙が続く。

風が吹く。

髪が揺れる。

やがて。

総司がぽつりと言った。

「君って不思議だよね」

私は首を傾げた。

「そう?」

「うん」

総司は頷いた。

「新撰組を知ってた」

私は固まる。

「長州の人達も知ってた」

心臓が跳ねる。

総司は空を見たまま続ける。

「まるで」

少し笑う。

「全部知ってるみたい」