君がいた幕末で


土方は静かに言う。

「お前は何者だ」

「なぜ長州にいる」

「なぜ新撰組を知っている」

逃げられない質問だった。

私は俯く。

答えられない。

答えたら。

全部変わってしまう気がした。

長い沈黙の後。

土方がもう一つ聞く。

「久坂玄瑞とはどういう関係だ」

私は顔を上げる。

その質問だけは。

すぐ答えられた。

「大切な人」

土方は黙る。

少し離れた場所で聞いていた総司と平助も。

静かに目を伏せていた。