君がいた幕末で


「完全に迷子だろ!」

新八が笑う。

私は抗議する。

一は静かに去っていく。

その背中を見ながら。

私は思わず叫んだ。

「一!ありがとう!」

一は振り返らない。

だけど。

少しだけ手を上げた。

それを見た新八が笑う。

「気に入られてんじゃねぇか?」

私は首を傾げた。

そして。

その日の夜。

新撰組では新たな共通認識が生まれていた。

――れなは放っておくと迷う。

だった。