君がいた幕末で


「やっと笑ったな」

左之助が言う。

私は固まる。

そんな顔していたんだろうか。

山南も優しく笑った。

「その方が似合いますよ」

胸が少し温かくなる。

嬉しかった。

だけど。

同時に。

寂しくなった。

その夜。

私は布団の中で目を閉じる。

今日は少し楽しかった。

山南も。

左之助も。

優しかった。

だけど。

ふと頭に浮かぶ。

玄瑞。

私は小さく呟いた。

「元気かな……」

その言葉は誰にも届かない。

廊下の向こうで聞いていた平助だけが。

静かに目を伏せていた。