「玄瑞がいるから」 私は自然に言った。 本当に自然だった。 何も考えていなかった。 だけど。 平助は固まる。 玄瑞。 久坂玄瑞。 その名前を口にした時だけ。 れなの表情が少し柔らかくなった。 平助は空を見上げた。 なんとなく分かった。 れな本人は気付いていない。 でも。 自分は気付いてしまった。 この子が一番会いたい相手は。 長州でも。 晋作でも。 稔麿でもない。 久坂玄瑞なんだと。 その事実が。 少しだけ胸を痛くした。