君がいた幕末で


「帰りたい」

小さな声だった。

でも。

はっきりしていた。

平助は視線を落とす。

少しだけ胸が痛かった。

れなの気持ちは変わらない。

自分達じゃ駄目なんだと。

嫌でも分かる。

「長州が好きなのか」

私は少し考える。

そして頷いた。

「好き」

晋作。

稔麿。

町の人達。

みんな好きだった。

平助は無理に笑う。

「そうか」

でも。

まだ続きがあった。