君がいた幕末で


新撰組屯所での生活は。

息が詰まった。

逃げられない。

帰れない。

長州へ行けない。

玄瑞にも会えない。

私は縁側に座り空を見上げる。

「帰りたい……」

小さく呟いた。

気付けば。

歌っていた。

寂しい時。

苦しい時。

私はいつも歌っていた。

だから今日も。

無意識だった。

静かな歌声が。

風に乗って広がっていく。

私は気付いていない。