君がいた幕末で


平助が固まる。

総司も一瞬だけ目を細めた。

だけど。

れなは気付かない。

ただ。

会いたかった。

怖くて。

苦しくて。

助けてほしくて。

一番最初に浮かんだ名前が。

玄瑞だった。

その頃。

長州の宿。

晋作が顔を上げた。

「遅いな」

稔麿も頷く。

玄瑞は窓の外を見る。

胸騒ぎがした。

理由は分からない。

だけど。

嫌な予感だけが消えない。

そして。

誰もまだ知らない。

れなが。

もう帰れなくなってしまったことを。