君がいた幕末で


「少し話を聞きたいだけ」

総司が言う。

私は首を振る。

「帰る」

震える声だった。

「晋作達が待ってるから」

その言葉に。

平助が目を伏せた。

胸が痛む。

本当に帰りたいのだと。

分かってしまったから。

「ごめん」

平助が小さく呟く。

私は目を見開く。

次の瞬間。

周囲の景色が揺れた。

怖い。

帰りたい。

玄瑞。

晋作。

稔麿。

頭に浮かぶ。

私は思わず叫んだ。

「玄瑞!」