君がいた幕末で


その日の午後。

私は一人で買い物へ出た。

頼まれた物を買うだけ。

すぐ戻る予定だった。

だから誰も止めなかった。

私も何も考えなかった。

まさか。

見られているなんて。

思いもしなかった。

少し離れた場所。

平助はれなを見ていた。

土方の命令だから。

ただそれだけ。

そのはずだった。

「普通の子だよな……」

ぽつりと呟く。

町の人と笑って。

子ども達と話して。

歌って。

どこにでもいる女の子。

そう見える。