君がいた幕末で


歌が終わる。

れなが空を見上げる。

その横顔を見ながら。

玄瑞は思う。

最近よく笑うようになった。

泣くことも減った。

長州に慣れてきたのだろう。

そう思うと。

少しだけ安心した。

その頃。

別の場所では。

土方が報告を聞いていた。

「身元不明か」

低い声が響く。

総司は頷く。

平助は複雑そうな顔をした。

そして土方は静かに言う。

「その娘を見張れ」

その一言で。

運命は大きく動き始める。

誰もまだ知らない。

もうすぐ。

れなが長州から引き離されることを。