君がいた幕末で


「ようこそ長州へ」

晋作の言葉と共に。

私は町を見上げた。

見たことのない景色だった。

木造の建物。

行き交う人々。

着物姿ばかり。

本当に。

本当に幕末なんだ。

私は思わず立ち止まる。

晋作が振り返った。

「どうした」

「なんか……」

私は周囲を見回した。

「すごい」

それしか言葉が出てこない。

晋作は少し笑った。

「変な奴だな」