君がいた幕末で


「えっ!?」

私は勢いよく振り返った。

そこには一人の男が立っていた。

長い髪。

見慣れない和服。

そしてどこか楽しそうな笑み。

いつからいたの?

全然気付かなかったんだけど!?

男は私を見て笑う。

「いやぁ、驚いた」

「そんな綺麗な声は初めて聞いた」

思わず立ち上がる。

「ありがとうございます……?」

知らない人だった。

でも不思議と怖くない。

男は私の姿を見て首を傾げる。

「その着物は最近の流行りか?」

私は自分の服を見た。

白いノースリーブのワンピース。

思わず吹き出す。