君がいた幕末で


男が笑った。

気味の悪い笑みだった。

「綺麗なお嬢さんだ」

背筋が凍る。

私は一歩下がる。

逃げなきゃ。

そう思った瞬間。

後ろからも足音が聞こえた。

振り返る。

そこにも男。

私は息を呑む。

――まずい。

その頃。

まだ誰も。

れなが危険な目に遭っていることを知らなかった。