君がいた幕末で


曲がり角で。

誰かとぶつかった。

「あっ」

顔を上げる。

見知らぬ男だった。

私は慌てて頭を下げる。

「すみません」

そう言って通り過ぎようとする。

だけど。

男は動かなかった。

嫌な予感がした。