君がいた幕末で


「あの子だよ」

平助が言った。

新撰組屯所。

総司は顔を上げる。

「どの子?」

「この前話した変な娘」

総司は少し考える。

そして。

思い出したように笑った。

「ああ」

「逃げた子」

平助の眉がぴくりと動いた。